気まぐれTips

HOMA-RとHOMAR2 2015/10/27(火)

インスリンチェッカーの見直し,
バージョンアップに向けて,HOMA-Rのチェックをしていましたが,
HOMA-R2という論文が多く出ているのに気づきました.

HOMA2-IRは,これまでのような簡単な式ではなく,
自動計算ソフトが開発者より作られています.
→HOMA2 Calculator softwareのHP


ROC解析にて,
HOMA1-IRまたはHOMA2-IRのどちら有用かという論文も
色々作成されておりますが,
結局のところ,
HOMA-IRとの大きさな差を見出すことが出来ず,
そのままでいいと判断しました.


糖尿病の専門医の先生と雑談していた時に,
HOMA-IRを信用していない先生が多かった気がします.
なおさら,
HOMA2-IRを信用していない先生が多いのでしょうか.


ちなみに....
HOMA1-IRとHOMA2-IRにおける
日本人の論文が検索しましたが
ヒットしませんでした.


論文を書くなら,ねらい目でしょうか.
論文を書いても,採用されないのでしょうか,

先生は,どちらと思いますか?

Bruno Geloneze.et.al; Endocrinol Metab. 2009;53/2
Bruno Geloneze.et.al; Endocrinol Metab. 2009;53/2

超音波検査報告書 エコー検査 2015/10/22(木)

頚動脈超音波検査報告書を作成する時に,
甲状腺も見えます.

頚動脈超音波検査なので,
甲状腺疾患があったとしても,
所見に入力しないとしても,問題ありません.

しかしながら,
「疾患を見るのではなく,患者を診なさい」という
私の尊敬している指導医先生のお言葉より,
当社の推奨している報告書では,
甲状腺疾患の簡易な所見を入れるように作成しています.

最近の問合せでは,
甲状腺疾患用の報告書がほしいとのご依頼があり,
作成準備を行うこととしました.

作成するなら,
専門医対策用の症例報告にも対応したソフトに
仕上げる予定です.
早急に作成いたしますので,お待ちください.


甲状腺超音波検査を調べてみると,
原発に伴う甲状腺疾患,疫学調査が検索キーワードにヒットします.
面白い分類があることが知り得ました.
こうご期待!

医療統計の小話1 データヘルス 2015/7/27(月)

いつからか,「データヘルス」という
単語が出てきているのをご存知ですか?

内容と言えば,過去の蓄積されたデータから,
今後発症するだろうイベントに対する予測モデルを作成し,
予防を目的とした医学であり,
今まで,医師がしていた学術・学問(疫学研究)を
健診・保健事業に関連付けした呼称と認識しています.


私の考える具体的には,
①メタボリック症候群の人の脳梗塞・心筋梗塞などの
 血管イベント発症のリスクの算出することで,
 栄養指導へとつなげる.

②長時間労働によるうつ病の発症リスクモデルを作成し,
 リスクスコア―を算出し,スコア―が低くなるように,
 職場環境の配慮を行う.

③融資を受けたい人の背景から,自己破産するリスクモデルを作成し,
 貸付金額の決定,融資をする/しないを算出することで,
 銀行の損失のリスクを回避する.

これは,今まで解析されていた解析手法...
(ビック)データから得られた結果と何も変わりなく,
名前が変わっただけ...
時間があれば,検索してみてください.

嬉しいことのまとめ 2015/6/9(火)

2015/5/4-5(月‐火)

上記の期間で,統計セミナーというのに参加しました.
「スライドの途中でも,ドンドン質問してもよい」とのことでしたので,
質問して授業を遅らせていた生徒の一人でした.
(担当された先生,すみませんでした)

もう一人,私以外にも,色々質問される方がいました.
統計というより,数理式について,いろいろ質問される方がいました.
統計の原理から理解しようとしている方で,
マニアックだなーと思っていました.


休憩時間や授業が終わってから,
その方から私の机に来ていただいて,色々話し合いました.
2日目に,どんな職業の方だろうと思って,
名刺をもらいましたら,
なんと.....腎臓内科の教授でした.
その先生が説明されたことをまとめると,
「学生(大学院生)の指導するのに,
統計のことを知らずに,教えることはできないとのこと」

大学院生の指導など,助教・講師・准教授に丸投げする教授が多く,
論文の最後に名前をくっつける教授が多い中(かなりの偏見です↓),
すごいなーと感心してしまいました.

教授になれば,対外的な関連を維持することの他に,
後進への指導・医局方針の組立など
雑務(?)の多い仕事している中において,
自己練磨もされている先生で,
とても,好きになった(尊敬する)先生でした.

陰ながら,ファンになります.


「医師は生涯学習」という言葉が,正にあう先生でした.
私も,頑張ろうと励まされた先生でした.
この場を借りて,お礼申し上げます.
ありがとうございました.


2015/4/3(金)

大学時代の論文は,かなりマニアックだったので,引用されずにいました.
しかしながら!
Switzerland's cantonsの心血管リスク因子の論文に,自分の論文が引用されているのを発見しました.
しかも,メタ解析の中の引用だったので,嬉しかったです.

皆さんも,自分の過去の論文の引用を見られたらいかがでしょうか.

10か月目のfollow 2015/1/14(水)


今までは,線形回帰直線として,1/Crを求めていましたが,
直線で表現するのが難しい場合,
多項式曲線を用いて評価することがあります.
今回は,信頼区間もつけて評価しています.
U字カーブを描いて改善しているように見えています.


9か月目のfollow 95%信頼区間(CI)を用いた推定値 2014/12/13(土)


95%信頼区間を考慮したグラフを作成しています.
推定値(1/Cr)はflatになり,腎機能が安定していることが示唆されます.

猫年齢のグラフ 猫の勉強 2014/10/26(日)

猫年齢のグラフを作成しました.
猫の生殖年齢は,3.5か月~1年で始まるとあるので,
おおよそ6か月としてみました.

そうすると,人間でいうと10歳程度でしょうか.

発情期の猫を迎えた猫の場合,
去勢しても発情期の習慣が残ることが多いので,
子猫を望まない場合,
早めの去勢が必要なのでしょうね.

猫年齢のグラフ
猫年齢のグラフ
グラフは,
fractional polynomialを用いて,
信頼区間を追加して作成しています.


また,猫の認知症は,10年以上生存すると多く,
ある調査によると、
オス猫の平均寿命は13.3歳、メス猫は14.3歳
との報告があるようです.

ヒトでいうと,70歳ぐらいでしょうか.
ヒトでも,70歳の認知機能障害も少なくはないので,
猫年齢のグラフは,あながちウソではなさそうですね.


勉強になりますね.
下記の猫年齢を参考に,
自動年齢計算表でも作りましょうかね.
認知症の猫年齢からみたヒトの年齢
認知症の猫年齢からみたヒトの年齢

4か月目のfollow 2014/7/24(木)

血液検査の結果は,落ち着いています.

猫の腎不全 2か月後のfollow-up 2014/5/27(火)


猫の腎不全の更新です.

前回から,4〜5月と2ケ月の経過となりました.
その期間は,1回/3日の皮下注射(生理食塩水40ml)を継続しています.

下記の示すグラフの通り,
腎機能は安定し,さらに,腎機能の低下の傾きは緩やかになっています.
注射を継続する限り,腎不全の増悪は回避できそうです.

解析ソフトで作成

今までは,エクセルで作成していましたが,
論文で用いるようなグラフを作成すると.....


ちなみに,最終の採血データが改善しているのは,
診察前に,注射を打ちました.
血液検査で,すぐにCrが改善するのでしょうか?
見かけ上の改善でしょうか.

動物のお医者さんではないので,わかりかねます.
ご存知の方は,教えてください.

統計解析 自分で統計解析を行うこと 2014/5/27(火)

当社にご依頼される先生方は,
専門の統計ソフトで解析される先生,
エクセルで解析される先生がいます.

当社が嬉しいと感じることは,
ご依頼される先生が,
一度は,統計の処理をしていることにあります.

何らかの操作を行っていると,
少なからず,疑問を生じます.

解析のご依頼する・しないに関わらず,
当社にご相談いただければ,
サポートができると考えています.

猫の腎不全 調査するきっかけ 2014/3/16(日)

猫を人間にたとえると... (猫 腎不全)


猫年齢を人間に変換するアプリや左のような一覧表は,
  インターネットで検索すると,よく出ています.

猫は,水あまり飲まないために,腎不全になりやすい動物ですが,
  猫のクレアチニン(Cr)とその予後の計算域の報告は,
  人間と違って少なく,また猫のCrは、0.7〜2.5と
  人間と比べると基準値の幅が大きいことが特徴です.


猫の腎機能については,変換値は調べていませんが,
  ヒトと同じように,1/Crで表を作ってみました.


治療開始前の1/Crの回帰直線について,
  傾き(後述)が急で,
  黒色の直線を示しています.

4月8日の採血結果では,
  4〜5月頃には,腎機能の廃絶が推測できました.
  

同じ時より,
  受診→毎日点滴による治療介入(赤色)
  受診→週3回の皮下注射(オレンジ色)
  自宅→週3回の皮下注射(青色)
  皮下注射の中止(空欄)
  ↓ 腎機能の低下を認める
  自宅→1回/3日の皮下注射(紫色)の再開
  
治療開始によって,腎機能の改善が認められ,
  黒→緑色の様に,傾きの勾配が小さくなり,
  腎不全の予後の改善を認めています.

採血検査の結果,腎機能が維持されたのを確認し,
皮下注射を中止(水や食事がしっかり取れる様になったため)すると,
次の採血検査では,腎機能の悪化を認めました!!

皮下注射は,生理食塩水・2号の維持輸液を用いていますが,
  どちらを使っても,
  腎機能には良い影響を与えていることが分かりました.
(注射の継続・中止については,かかりつけの先生とご相談下さい)

1症例(17歳)ですが,腎機能が低下している猫には,
  継続して皮下注射することが大事であることを経験しました.

現在の採血結果では,1/cr ≤0.1は,2015年6〜7月頃になると推測されます.

  回帰直線について,
  対になったデータxiとyi(i=1,2,…,n)から単回帰式y=a+bx

  最小2乗法では傾きb(回帰係数と呼びます)
  は次のようにして求められます。
  (a:切片,b:回帰係数)を求めるには以下の数式を用います.


  x¯:xの平均値,y¯:yの平均値
  b = (xiとyiの共分散)/(xの分散) =  Σ{(xi-x¯)(yi-y¯)}/ Σ(xi-x¯)^2

猫 腎不全を経験した皆さんが,下記のデータの御協力(不足してもOK)いただけるようでしたら,
猫のCrと予後の計算式について,算出したいと考えております.

(1)猫の実年齢
(2)体重
(3)種類
(4)性別(オス・メス)
(5)腎機能(クレアチニン・尿素窒素)
(6)治療介入時期(種類:点滴・皮下注射) 
(7)地区(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)

 その他,皆さんと共有したい事があれば,追加して教えてください.
 みなさまの御協力をお待ちしております.


論文作成 論文を作る前にすることリスト5箇条 2014年3月16日(日)

①これから作成する論文が,既に発表されている内容なのかを確認する.
 →類似する論文,批判的な論文を探す.

②自分の論文があることで,世の中・患者の役に立つのか,将来的に役に立つのか考慮する.
 →この信念が強くなければ,査読者からの「ありがたい」指摘により,心が折れます.

③何を知ってらいたいのか,何を主張したいのか目的を考慮する.
 →1つの論文で,1つの目的(思い)を伝え無ければいけません.

④目的を達成するためには,どのような項目を用いて評価すべきか考慮する.
 →現在用いられている項目,自分が試したい項目を選びます
 例)臨床治験では,現在用いられている薬品Aと,これから販売される薬品Bとの比較

⑤作りたい論文の内容について,同僚・スタッフ・患者・配偶者に説明する・評価を聞く.
 →素人が分かるように説明できることで,論文の書く内容が丁寧になります.
 →気付かなかった疑問点を明らかにしてくれる場合もあります.