医療系ソフト開発randMSg4-無料

randMSg4 アプリを作った背景

UMINでランダムに割付しているグループを見ると、
介入群あり、介入群なしの2グループが9割を占めています。

しかしながら、
まれに、3群であったり、4群で割付している研究もあります。


2群のランダム化は、多くの論文にもあるように、
数理統計学的にランダム化を証明することが出来ているのに対して、
3群以上では、多くの論文が出ていません。

今回、当社では、randMSを応用して、
介入群4つにおけるランダム割付けするソフトを作成しました。

randMSg4は、「最小化法」による無作為割付のやり方だけしかありません。

実際の結果 100例を4群に無作為割付(ランダム化)

下記のサンプルデータの患者100例について、
高血圧症、高脂血症、糖尿病の順で3つの層別し、
4群に割付けました。




xlsxサンプルデータ

1回実施したある割付結果 私が思うこと(感想)

【上の画面の割付結果について】
100例の患者は、3つの層別に従って、
1群、2群、3群、4群に割付けされました。
つまり、
それぞれ24例、26例、25例、25例に割付けられています。

このランダム化の結果は、
群によって、人数の大きな偏りがないことが分かりました。


100例を同時に割付けするのにかかった時間は、「55秒」とありますので、
1分ぐらい時間がかかっています。
1人当たり1秒で割付の結果がでているのが分かります。

通常は、1人1人登録するので、
ランダム化するのにストレスがかからない時間ではないでしょうか。
(パソコンの性能によっては、3秒ぐらいかかるかもしれません)

ちなみに、1000回行った時の結果を示します。

Variable |   Obs   Mean  SD   Min   Max
----------+---------------------------------------------------------
計測時間 |  1,000  54.98  7.24  27.56  108.70


100例を4群に1000回の無作為割付(ランダム化)

では、次に、
同じような操作を1000回ランダム化を行い、
どのようになっているかをシミュレーションしてみます。

サンプルデータにありますように、
調査項目は、
①年齢
②BMI
③SBP
④DBP
⑤HR(heart rate)
がちゃんと割付けられているか確認してみます。


忘れないでください。
患者の背景は、
高血圧症、脂質異常症、糖尿病の有無の3層で、4群に割当けを行っています。

この層別において、ちゃんとランダム化がされている場合は、
①〜④の4群のp値はP>0.05(Kruskal-Wallis検定)になるはずです。

pdf1000回のランダム割付の結果

1000回実施した割付結果 私が思うこと(感想)


左図のグラフは、ヒストグラムの具体例(年齢)になります。
1000回実施した時のp値とchi-squared adjusted for tiesを
示しています。

y軸:頻度とし、
上図は、x軸:p値
下図は、x軸:chi-squared adjusted for ties(カイの二乗分布の値)
になります。

下図をもっと説明すれば、
自由度3のp=0.05の時の値は、7.81473になります。



1000回ランダム化を実施した結果、
年齢は41回p<0.05となり、4群間に有意差のある結果となっています。


41/1000=0.041となります。
つまり、
これは、1000回も行えば、まれに(41回)、有意差が出てしまう割付を起こしてしまうことを
意味します。

最後に

最小化法によるランダム化を1000回を実施すると、
このサンプルでは
P<0.05の個数が、40-60個ありました。

医療統計の世界では、
100回行って、5回以内であれば、
「まれに」起こる現象であると定義されていますので、
今回作ったrandMSg4は、
ランダム化が「ちゃんと」できていると考えてもよろしいのではないでしょうか。


意義・異論・反論または賛同など、
色々な意見があると思いますが、
同意される方に、アプリを配信しようと考えています。


反対の方の意見は重要なご指摘・ご意見と考えていますので
その方が十分に納得されるように
アプリを改善・改良させていただきたく存じます。


医師の臨床試験のために、ぜひご協力をお願い申し上げます。

当社ができる社会貢献として、randMSおよびrandMSg4を活用していただければ幸いと存じます。